ガイアナのエセキボ地域には、北海道の2倍近い面積に12万5000人が住んでいます。ベネズエラのマドゥロ大統領はこれを自国領に組み込んだ「新しい地図」を配布すると発表。ガイアナ政府は強く反発しています 。
南米ベネズエラの「新しい地図」とされる物を、同国のマドゥロ大統領がSNSに投稿しました 。
マドゥロ大統領はX(旧Twitter)に12月5日、「これが私たちが愛する地図だ!」として、隣国ガイアナの国土の7割を自国領に塗り替えた地図を掲載。この地図は今後、国内の公共機関や学校に配布されるとのことです 。
ガイアナのイルファーン・アリ大統領はこうしたベネズエラの動きを「差し迫った脅威」であり「絶望的な試み」だと批判しています 。
国際的に認められたベネズエラの元々の地図
マドゥロ大統領がXに投稿したベネズエラの「新しい地図」。東側に領土が拡張している
地図で「編入」されたエセキボ地域とは? 2015年に海底油田が発見
この地図で新たに「ベネズエラ領」とされたのは、東隣りにあるガイアナの国土の7割を占める「エセキボ」と呼ばれる地域です。日経新聞などによると北海道の2倍に当たる16万平方キロメートルの面積に12万5000人が住んでいます。これはガイアナの全人口約81万人の約15%に相当します 。
1899年の国際仲裁協定で当時はイギリス領だったガイアナの領土とされましたが、ベネズエラは「無効」と主張していました 。
CNNなどによると、ガイアナは人口がまばらで貧困率が高い国でしたが、2015年エセキボ地域の沖合で大規模な海底油田が発見されて以来、急速な経済発展を遂げました 。
ベネズエラのマドゥロ大統領は油田の発見後、エセキボ地域はベネズエラ領だとの運動を活発化。12月3日に実施した国民投票の結果、「ベネズエラ領に編入することへの賛成が95%を超えた」として勝利宣言しました 。