「 けっこうレアケースかもしれません」と撮影者もびっくり
ぷりっとしていてカワイイ ! 森の中で見つかった小さな「桃尻」の写真が10月3日にX(旧Twitter)に投稿され、注目を集めています 。
桃尻……。いえいえ、粘菌です!いやん。pic.twitter.com/Vl7UVyNtzo
話題になっているのは、きのこ粘菌写真家の新井文彦(@ukigumo_club)さんの投稿。写っているのは「マメホコリ」という種の粘菌で、北海道の阿寒摩周国立公園の湖、オンネトー付近で発見したそうです 。
国立科学博物館によると、マメホコリは腐った木の上に群生する種で、日本に広く分布しています。その名の通り「豆」のように小さな球状が特徴で、大きいものでも約15ミリほどの大きさなんだそう 。
本来は桃色がかった灰色なのだそうですが、新井さんが発見したマメホコリはきれいな桃色で、しかもお尻のような割れ目がみられます 。
通常のマメホコリ
このいつまでも見ていたくなるツルンとしたマメホコリには 、
💬 「 むちゃくちゃ可愛いですね ! 」
💬 「 なんと綺麗な桃じゃ 」
💬 「 まさか … … 野原家の …… ! ? 」
といった反応が寄せられ、3万6000件の“いいね”が寄せられました 。
この不思議な形の粘菌について、新井さんに詳しい話を聞いてみました。
――桃尻を発見したときはどう思いましたか ?
最初は普通に撮影していたのですが、よく見るとほぼ完璧なお尻形でしかもピンク色。これこそ本当の「桃尻」だ(笑 ) ! と思いました 。
――このように「桃尻化」することは珍しいのでしょうか ?
通常はほぼ球形なのですが、発生したばかりの未熟な子実体は、柔らかく、中が液状なので、たまに変形しているものを見かけることはあります 。
きれいな桃尻形はけっこうレアケースかもしれません(笑 )
――ズバリ、きのこや粘菌の魅力とはどのようなものでしょうか
落葉の間や倒木のコケの間から発生している小さなきのこを見ると、多様な色や形状が、可愛く、美しく、いつも小躍りしてしまいます 。
また、森の生態系における大車輪の活躍(寄生=樹木の間引き、共生=樹木を育てる、分解=植物遺骸を無機物化する、虫や動物の餌になる、など)も知れば知るほど素晴らしい生きものだと思います 。
粘菌は肉眼ではなかなか見ることができない種も多いのですが、きのこと同じく、その色や形状の多様性がたまりません 。
そして、自然の中で、そんな小さな生物を見つけたときの喜びや感動は、筆舌に尽くしがたいです 。
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新井さんは頻繁にフィールドワークにでかけているようで、超レア物から幻想的な光景まで、たくさんのきのこや粘菌の写真を自身のXで多数公開しています 。
暑い日が続いていたけど、この2日くらいで、雨がたくさん降ったので、そろそろかなあ、と、行ってみたら、ビンゴ!!コウバイタケがたくさん発生してました。それにしても、この美しさ、透明感 … … 。言葉にできません、はい。pic.twitter.com/9lSwStcoBR
もう柴犬はなさんがいないので、十和田湖周辺へゆっくり粘菌撮影に行ってきました。それにしても、まあ、キララホコリの美しいこと。直径1mmの粘菌に心を奪われてしまいました。小人の職人が、子実体の表面に、金で細工を施しているに違いありません!pic.twitter.com / avqEvXFAtB
阿寒の森のとある倒木では、超レアな粘菌、ロウホコリの子実体がたくさん発生中。伸びたばかりの真っ白なやつ、やや成長して鏡のように目の前の風景を映すもの、さらに成熟して子嚢が金属のような光沢を持つものなどなど … … 。本当に、たまりません!ちなみに、全長は2mm以下 ! 極小だけど超きれい!pic.twitter.com/egectu6AvT